
ラファティの短編集。
なんと言おうか、解説不能な物語が目白押しである。
難解でブラックでユーモアが効いている。
SFなのだが、非常に感覚的というか、非物理的というか、非現実的というか非科学的というか、そんな感じである。
一体どんな拍子でこんなアイデアが浮かぶのであろうか、不思議である。ちょっと「紙一重」な印象もあり、作者にも興味が及ぶ。
お気に入りの設定を紹介しよう。
ある罰ゲームの話。それは、「6匹の猿に無作為にタイプライターを打たせて、シェイクスピアの一編が偶然完成するまで監督をしろ」というものだった。
そしてどのくらいの時間が経過したかの目安になる「時計」が登場する。その「時計」は、「一辺の長さが1パーセク(約31兆キロ)もある磨き上げられた岩の立方体」で1000年に一度小鳥が飛んできて、くちばしを研ぐ。
その岩の磨耗具合で時間を推測する、というものだ。
自分の中で今まで時間の観念でもっとも壮大な設定は手塚治虫の「火の鳥・未来編」だったが、それをも軽く上回る壮大さである。なにしろ小鳥が1000回飛んできてやっと「かすりきず」が出来るのである。
なにしろ科学・天文学はほとんど関係ないので宇宙・時間の構造などはまったく関係ないのである。
非常にシュールだが、シュールも此処まで来ると拍手喝采、といった塩梅である。
難点があるとすればやはり難解さ(結局意味が分からなかったのもあった!)と翻訳特有の文体だろう。けれどくどいアメリカンジョークっぽい翻訳文もまとめて「しょーがねーなぁ」と笑い飛ばせばいいだろう。
ともかくおもしろむずかしばからしすばらしあほらしな本である。
なんと言おうか、解説不能な物語が目白押しである。
難解でブラックでユーモアが効いている。
SFなのだが、非常に感覚的というか、非物理的というか、非現実的というか非科学的というか、そんな感じである。
一体どんな拍子でこんなアイデアが浮かぶのであろうか、不思議である。ちょっと「紙一重」な印象もあり、作者にも興味が及ぶ。
お気に入りの設定を紹介しよう。
ある罰ゲームの話。それは、「6匹の猿に無作為にタイプライターを打たせて、シェイクスピアの一編が偶然完成するまで監督をしろ」というものだった。
そしてどのくらいの時間が経過したかの目安になる「時計」が登場する。その「時計」は、「一辺の長さが1パーセク(約31兆キロ)もある磨き上げられた岩の立方体」で1000年に一度小鳥が飛んできて、くちばしを研ぐ。
その岩の磨耗具合で時間を推測する、というものだ。
自分の中で今まで時間の観念でもっとも壮大な設定は手塚治虫の「火の鳥・未来編」だったが、それをも軽く上回る壮大さである。なにしろ小鳥が1000回飛んできてやっと「かすりきず」が出来るのである。
なにしろ科学・天文学はほとんど関係ないので宇宙・時間の構造などはまったく関係ないのである。
非常にシュールだが、シュールも此処まで来ると拍手喝采、といった塩梅である。
難点があるとすればやはり難解さ(結局意味が分からなかったのもあった!)と翻訳特有の文体だろう。けれどくどいアメリカンジョークっぽい翻訳文もまとめて「しょーがねーなぁ」と笑い飛ばせばいいだろう。
ともかくおもしろむずかしばからしすばらしあほらしな本である。
(自分の読書データベースからの転載です、一部加筆修正しています)
追記
結局その後もこの「時計」を上回る時間の観念は巡り合えていない。

