Clouds Rest〜雲の上で

ヤフブロから移行(旧ハンドル:いぬどし)。 基本登山を中心とした山行記録、ギアなどの話。そのほか雑多な記事を書きます。

2007年03月

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永遠の仔(上)

天童荒太
幻冬舎

1979年,四国,愛知県の瀬戸内海沿いのある病院に一人の少女が入院する。ある事件をきっかけに少女は2人の少年と巡
り会う。彼女が入院したのは第8病棟。通称「動物園」と呼ばれる場所・・・心を病んだ少年少女が入院する施設である。
初めは心を堅く閉ざしていた少女であるが,少年らとの暖かい交流を通して,次第にうち解け始める。
 
1997年,大人になり,それぞれの人生を歩み続けていた3人が再び再会する。
3人は過去にとある大きな秘密を抱えてきた。
心に負った傷と共に,3人は表向きには順調な人生を生きてきたが,常にこの大きな秘密と内面で戦って来ていた。いわば戦友の様な旧知の友であるが,何故かどこかギクシャクした関係でもあった。
そして,3人を取り巻く環境にまた,新たな事件が起こった。
 
ネタバレにならない様にあらすじを書いてみたもののこれでは何だか良く解らない。それもそのハズで,まだ(上)しか読ん
でいない(この感想を書いている時点での話)。(上)だけでは,まだ根本的な秘密が明かされていないのだ。
 
2000年版「このミステリーがすごい」の堂々第一位の作品である。まだ,その理由の核となるところまでは読み進めていないが,前評判通りの読み応えだだ。
ある批評にもあったけれど,子供の発する言葉があまりにも大人びているのは少々気になった。が,それは問題にならない位のストーリー性で読む者を引き込んでいく。
 
幼児虐待・・・第三者から見れば,二元的に「良い・悪い」で判断しがちだが,親と子,それぞれの立場のやるせない感情がなんとも胸を締め付ける。
驚くべきは,この作者はどうやって,この様な子供の感情を細かく知り得たのであろうか。この物語のような少年少女の心の動きが,児童虐待によって心を病んでいる実在の少年少女らの心の動きと、どの程度シンクロしているのかは解らない。
だが,実際こうなんだろう,と思わせる説得力がある。
出来れば,これから親となろうとする人,子供を持つ親,子育てを終えた親,様々な人に読んで貰いたい気がする。
 
 さ,(下)に取りかかろう。

(自分の読書データベースからの転載です、一部加筆修正しています)

リアルタイムで感想を書いている文章で面白い。
この作品はその後ドラマ化話題になった(観てないけど)。
文庫は幻冬舎から5巻モノで出ている。

漫画家編です。
良い漫画を描く好きな漫画家さんは多いですが、天才となるとどうでしょうか?
少女漫画は守備範囲外なのでごめんさい。解りません。

手塚治虫・・・完全に別格です。秀才タイプではなく完全に天才と言えるでしょう。
吉田戦車・・・感性的にありえないのに、ちゃんと人気漫画家ってところがスゴイ。
荒木飛呂彦・・一発で変換した!(笑)デビュー時から、普通の漫画と違う!と感じてました。
つげ義春・・・どう分析していいか解らない世界だけど、何故か引き込まれてしまう。
江川達也・・・この人も秀才ではなく天才タイプかな。
青木雄二・・・ナニワ金融道の著者ですが、相当の強者。


宮崎駿も考えましたが、漫画をちゃんと読んだことがないので控えました。
小林よしのりも考えましたが、風当たりを考えやめました(笑)。

休日に久々にアコースティックギターを弾いた。

曲は山崎まさよしの「One more time, One more chance」・・・名曲だ。

スコアを見ながらコードを指に染み込ませていく。

山崎まさよしらしい「聴くのと弾くので大違い」的なコード進行。

しかし一度練習したことがあるので、思ったより早く指に馴染んでいく。

絶妙な和音は、つい唄を口ずさみたくなるが、家族が居るので思わず飲み込む。

うーん、やっぱ音楽は良いなぁ。

バンドもやりたいけど、アコギユニットもいいな。

メンバー募集しようか。。

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家族狩り

天童荒太
新潮社

「愛しているか」
生身の体に鋸を引きながら,親に問う。
本当に愛してきたと言えるのか」
肉塊と化すまで問う。
その内面に巣くうものは憎悪か?怒りか?狂気か?愛か?
 
問題を抱えた思春期の子供が親を惨殺する事件が立て続けに起こる。
どの事件も子供は現場で遺書を残し自殺。
その親殺しの方法は凄惨を極める。
その残虐な手口は「実の子共だからこそ」という理由がもっともらしく付けられる。
 
登場人物は多岐に渡る。
自らの家族を顧みず,息子を失い,妻を精神病に追いやった刑事,馬見原。訳有って断ち切れないでいる,馬見原の「もう一つの家族」。最初の事件の発見者で,モラトリアム美術教師の巣籐浚介。巣藤の教え子の芳沢亜衣。児童相談センター職員の氷崎。
様々な人物が絡み合い,物語は進行していく。
現実の全ての人がそうであるように,この物語に登場する人々も全て家族や人間関係に影を持っている。
 
謎解きのミステリーではなく,一つの完成されたルポタージュの様に場面が展開する。展開に驚きはするものの,かっちり収まったパズルのピースの如く淀みない展開のもと,物語は一気に加速する。
 
全体を流れる陰惨な空気を払拭するようなラストシーン。
そして,(ありがちだけれども)このままでは終わらせないエピローグ。
非常に完成度が高い小説だ。
 
最初の8ページを読んで戸惑った。
幾ら難でも残酷すぎる。
そんな活字など腐るほど読んできた自分ではあるが,今回は少し趣が違った。ただ文字の上での残酷シーンと割り切れない恐ろしさが行間を埋め尽くしている。リアリティとか筆力とは違うところで,直接感性と胃袋に訴えてくる。読み進めるのも躊躇われる恐ろしさ。
だが,読み進めて正解だった。
「狂気」で済まされることの多いこの手の世界ではあるが,その便利な言葉に踊らされず,綿密な構成とプロットにより,残虐なシーンにそのインパクトだけでない意味付けを持たせたのは,ひとえに作者の力量だろう。
タイトルや冒頭シーンは派手な「つかみ」ではあるが,内容は圧倒的だ。
「永遠の仔」にしろ,この「家族狩り」にしろ,大きく括ればテーマは家族,だ。どんな人間でも関わりを持つことを余儀なくされる単位。その内面をこれでもか,と深く深く掘り下げていく。
上下二段,500ページを越えるが,まったくだれることなく読むことが出来る。
重いテーマではあるが,きちんと読者を最期まで飽きさせないエンターテイメント性は流石である。
確かに内容はこの上なく暗い。
だが,目を離せないものが確かにこの作品に存在する。
自分の現実はこんなに陰惨ではないと,言い聞かせながら読み進み,なんとも言えない息苦しさに支配されつつも,閉じることが出来ない。そんな本だ。
正直,残虐シーンは絶対に耐えられない,と言う人には薦められない。
だが,その向こうにある圧倒的な読み応えを得たい人は是非手に取ることをお薦めする。

第9回山本周五郎賞受賞作品。

(自分の読書データベースからの転載です、一部加筆修正しています)

追記

その後文庫化にあたり、相当加筆修正している。
1 幻世(まぼろよ)の祈り
2 遭難者の夢
3 贈られた手
4 巡礼者たち
5 まだ遠い光
以上5巻。こちらの方が読みやすいかもしれない。
 
 

これから気になる映画です。

ロッキー・ザ・ファイナル

ずっこけた人も居るかもしれませんが、ロッキー世代なのです。
これは観ておかないと(別に熱狂的なファンではないけど(^^;))。

パイレーツ・オブ・カリビアン3 ワールドエンド

「2」はいまひとつだったけど、今回のは予告編観てぶっとびました。
相当面白そうです。面白くなかったらプロモーションを褒めたいです。

アルゼンチンババア

堀北真希に注目です。ストーリーは知らないけど、なんか観てみたい。

蟲師

興味なかったけど最近興味出てきました。

さて何本観ることが出来るでしょうか・・・

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